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高遠ユミ(yumi131ff)

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CSでソフィア・コッポラ特集があって、一週間釘付けで観てしまいました。
過去に取り上げた「マリー・アントワネット」「ブリングリング」の他、
全5作ガッツリ観てしまい、観たことがなくてあまり期待もしていなかった「SOMEWHERE」と「ロスト・イン・トランスレーション」も面白くて、私、この監督のセンス好きなんだな、と改めて思いました。

「ヴァージン・スーサイズ」だけは今までに観ても、自殺をなんとなく美化しちゃうのは十代の頃なら共感できたかもしれないけどね、ぐらいで、ただジョシュ・ハートネットは他の映画より、このダサい長髪の「学校一のモテ男くん」がなぜか一番色っぽく見えたのでした。(少女マンガ風男子が好きってことか?)

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◆「ロスト・イン・トランスレーション」
ハリウッド俳優ボブ(ビル・マーレイ)はサントリーウイスキーのCMに出るため東京へ。同じホテルに滞在中で、カメラマンの夫についてきた若い女性シャーロット(スカーレット・ヨハンソン)と出会う。年代の違う二人だが、孤独なホテル生活の中いつの間にか意気投合し──。

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東京が舞台となるこの映画を途中から観てしまって、最初は日本を小馬鹿にされている気がしたけれど、もう一回初めから観て、あと、ジム・ジャームッシュ監督の、
「日本には何度も来ているのに、いつもあの映画で描かれたような主人公の孤独感や、違う惑星に来てしまったような不思議な思いを抱いてしまう」
というコメントを読んでなるほど、と思いました。

観光旅行と滞在は違う。数日の観光で観光客慣れした人ばかりと接し「フレンドリーで優しい人ばっかり」という印象で帰るのと、滞在してみたらそうでもなかった、けっこうみんな冷たいし、というのは私たちが海外で感じるのと大差ないのかも。

CM撮影で監督(ダイヤモンド☆ユカイ)がまくしたてる要求を、波風立たぬようざっくり割愛して伝える通訳者に、「もっとたくさん喋っていただろう? 本当は何と言ってるんだ?」と腑に落ちないボブ。
更にくだらないバラエティー番組に出されるシーンもあり、海外セレブが来日するたび、こういう番組で意味のわからないギャクを一緒にやらされたり、言葉を理解できないのをいいことに芸人の司会者が失礼なことを言って笑われたりしているのを見て、宣伝とはいえ気分悪いだろうな~、人間扱いしてないな~と厭な気持ちになる。

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泊まっているのはパークハイアットだし、誘われて行ってみるストリップバーもずいぶん無機質な醒めたところで、アメリカのわいわいチップが飛び交うストリップと全然違うんだけど、この醒めたところが東京らしいといえば東京らしい。

庶民的な旅行ならもっと楽しいところもあると思うけれど、意に沿わぬ滞在は寂しい。とってつけたように観光名所の京都まで足をのばしてみてもやっぱり寂しい。
ホテルというのはどんなに立派で綺麗でも、宿泊、またはデート目的以外で過ごすには退屈な場所。
私的なものが置いてない空間で時間をつぶすのは難しい。

で、「SOMEWHERE」もやっぱりホテルで暮らす俳優が主人公で、

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◆「SOMEWHERE」
高級ホテルで暮らす人気俳優ジョニー(スティーヴン・ドーフ)。
パーティ三昧で女に不自由しない日々。
ある日別れた妻から11歳の娘クレオ(エル・ファニング)を預かることになり、いつものデタラメな生活をひととき封印。何物にも代え難い数日を送る。

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この映画がめちゃくちゃ綺麗でした。
巨匠フランシス・コッポラを父に持つソフィアの体験が元になっているそうですが、前出の「ロスト・イン・トランスレーション」も同じ気がします。 「ロスト~」のシャーロットの夫は、ソフィアの元夫スパイク・ジョーンズがモデルで、一緒に東京に滞在したときの体験が元だそうですが、年の離れたボブ(打ち解けながらも肉体関係には至らない)は父で、それも実はソフィアと父の姿ではないのでしょうか。

「SOMEWHERE」ジョニーもまた仕事でイタリアへクレオを伴い、言葉がチンプンカンプンのミラノにうんざりして速攻アメリカに引き返すのと似ている。
ホテルのルームサービスでアイスクリームを全種類頼み、「イチゴがうまい」「チョコのほうが」とつつきながら観るテレビ番組は「フレンズ」。
「ロスト~」では深夜二人でフェリーニの映画「甘い生活」を観ていた。

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「ロスト~」で、
「何をしたらいいのかわからない。文章書いたり、写真を撮ってみたりしたけどどれもダメ」
「年を取ったら楽になる? 結婚生活も?」
と問いかけるシャーロットと、明確な答えの出せないボブ。
若い時期、父の作品で女優デビューするも酷評された黒歴史を持つソフィア・コッポラ。監督業に至るまで紆余曲折あったと思われる。

クレオはシャーロットより幼いソフィアで、生まれながらスターの娘なので自分の環境が特別とも思っていないし、よく男性の監督が描くような必要以上にクールでこまっしゃくれた子でも、「ナチュラル」を装って不自然な子でもない、自然な女の子。
ルームサービスで食材を注文してパパに料理を作ってあげる。
普段は女たらしでいい加減なジョニーの大切な恋人だ。パパと過ごすキラキラした時間。プールで日光浴し、ジョニーがピアノを弾くそばでうたた寝。
ギター弾きのロムロが歌う「テディベア」が最高。

「僕を君のテディベアにしてよ 
 首に鎖を巻いて どこへでも連れて行って」

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突然ママ恋しさに泣き出すクレオ。そうなんだよね。パパの長期不在は割と平気でも、この年頃はやっぱりママがいなきゃ寂しいんだよね。
でもたとえ忙しくても、余暇に本気で遊んでくれるパパとの思い出を娘はきっと忘れない。

この映画を観て、自分がクレオと同じくらいの年に家の事情で父親と二人で伯母の家へ行った時のことを思い出しました。父と二人だけで泊りがけの旅をしたのはそれっきり。
ソフィアもまた、高級ホテルとルームサービスの中で過ごしたかけがえのない思い出がたくさんあるんだろうな。

家庭・ホテル・宮殿、と閉塞的な世界で寂しくきらめく少女たち。

腕を骨折したジョニーが、部屋に出張ポールダンサーを呼びダンスを見ながらウトウトするシーン、いかにもお金を持て余したハリウッドセレブのバカバカしい娯楽って感じ。

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「ブリングリング」が公開された頃のキネマ旬報を読み直すと、ハーモニー・コリンの「スプリング・ブレイカーズ」と比較されて、「スプリング~」が絶賛されていて、ウソでしょ、私、あれまったく期待外れだったよ。誰が主人公なのかも途中でわからなくなったし、あれがアメリカの子の「リアル」なのか知らないけど、小汚いティーンエイジャーたちの小汚い乱痴気騒ぎにうんざりしちゃった。盗品をSNSにアップして有名人気取りの「ブリングリング」のほうが浅はかながら今どきっぽくてわかりやすい気がしました。

ソフィア・コッポラは「生れつきセレブだからセレブに憧れる人の気持ちがわからない」とか「自分の環境が特殊であることに気づけば一皮むけるのに」とか書かれていて、というか、わからないならわからない立場の人を描いていればいいんじゃない? という気もします。

「ロスト~」でシャーロットが夫から、キャピキャピな女優のケリーのことを「イエール大卒じゃないからって見下すなよ」と注意されるも、バーで拒食症と腸内洗浄の話をする彼女にうんざりする。
だいたい夫と過去に何かありそうなケリーと相容れるわけないんだけど、「普通の人」から有名人にのし上がった同士、彼女のほうが夫と気が合うのでは、という疎外感を感じた経験がソフィア自身にもあったのだろうと想像する。

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生まれながらの王女であるアントワネットに対し陰口を叩き、でも近くへ来れば笑顔をつくろうのは、批評家であり、一般人の私たちで、そんな人たちに慣れているのも生まれながらのセレブ・ソフィアである。
根も葉もない噂や勝手な批評をしていながら、「プチ・トリアノンに招いて」「お声かけして」と渇望する宮廷人と同じく、「プレミアに呼んで」「映画に出して」「私の批評を認めて」と熱望する一般ピープルに囲まれた「特別な人の孤独」を描くのが得意なソフィアに、「庶民の目線まで下りてきなさいよ」っていってもね…。

過去記事はコチラ:「マリー・アントワネット」 「ブリングリング」




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コメント

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2016-04-11 01:37 | # [ 編集 ]

Re: タイトルなし

お久しぶりです~!
コメントありがとうございます。
「ロスト~」地味に良いですよね。スカーレットってエロくない役もイイんだなって、逆に思いました(笑)

タクミさん、まだ好きですよ! 最近取り上げてなくてすみません。
ドラマとかどうもハマれなくて困っちゃいます。
映画もう公開してたんですね(←知らなすぎで失礼)
正直DVDでもいいかと思ったのですが…そうですか、観に行ったほうがいいかな。

前々から、何ならピッタリくるかな、と写真とかでコラージュしてみたいなとか。
このブログで以前とりあげた「菊燈台」なんて(少年て年ではないけど)女にも男にも求められる美しくてちょっと頼りなげな男ということでいいような気がするんですけど、いかがでしょうか(笑)
2016-04-11 21:52 | 高遠ユミ(yumi131ff) #- URL [ 編集 ]

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2016-04-12 00:14 | # [ 編集 ]

Re: タイトルなし

同じファンでも求めるイメージって違いますよね。
私の理想はプラトニックではないけど、いかにもカッコいいモテキャラとかでなく、無自覚にフェロモン振りまいてるような感じでいてほしいです(笑)

確かに不器用そうですが、自分が追いかける側じゃなければかなり強気そうな気がするんですけど、誰でもそうか(笑)
追いかける恋が好きなんでしょうね。

映画館、そうなんですね、私も土日行ってみようかな!
2016-04-12 21:50 | 高遠ユミ(yumi131ff) #- URL [ 編集 ]

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2016-04-13 01:25 | # [ 編集 ]

Re: タイトルなし

6月公開の映画も二本もあるんですね、今知りました。
忙しそうで何より(笑)

こちらこそ、ありがとうございます!
コメント歓迎いたしますので、お気軽によろしくお願いします!

2016-04-13 22:23 | 高遠ユミ(yumi131ff) #- URL [ 編集 ]

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