プロフィール

高遠ユミ(yumi131ff)

Author:高遠ユミ(yumi131ff)
FC2小説で主にR-18作品を公開しています。ブログのテーマはエロいこともあればエロくないこともあります。作品は下のリンクよりどうぞ。


リンク


アクセスカウンター


最新記事


最新トラックバック



ソール・ライター展に行って来ました。
ぜんぜん知らなかったのですが、このごろ書店に行けば写真集が積まれ、たまたまつけたテレビでも展覧会が報道されていて、これは観に行けということかな、と行ってきました。

haircut.jpg

↑ 「床屋」

書店でなんとなく見たときは、ノスタルジックでお洒落、スタイリッシュという印象だけでしたが、展覧会HPで、「ファッション写真で認められるも、自分を売り込むことを美意識が許さず、ある時期から忘れられた存在に~」という来歴を読んで興味が増しました。

〝雨粒に包まれた窓の方が、私にとっては有名人の写真より面白い〟

snow.jpg

↑ 「雪」

クリエイティブぶった最先端の人ではなく、むしろ名声に興味がなかったようで、人物についての知識で作品の印象もまた変わるような気がします。

写真に添えられた「発色現像方式印画」などの技法はどういうことかさっぱりですが、デジタル画像のくっきりした色を見慣れたこの頃、フィルム写真の色調が目に優しいです。
もともと絵を描きたかったらしいソールの色彩感覚は抜群。

↓ 「タクシー」
 
taxi.jpg


↓ 「赤信号」

Dont Walk

私がちょっと驚いたのは、カラー写真が出た当時、カラーはモノクロより下だと思われていたということです。確かにモノクロはカッコ良くて私も好きなのですが、てっきり「カラー」という新しい技術のほうに人々は群がって、モノクロは古臭いと思われていたのかと思ったら逆だったんですね。

〝私はモノクロ写真のみが、取り上げる価値のあるものだと信じている人たちが不思議でならない。美術の歴史は色彩の歴史だ。洞窟の壁画にだって色が施されているのだから〟


↓ 「郵便配達」

postmen.jpg

働く人たちの写真が素敵でした。
「掃除夫」、「郵便配達」、「モンドリアンの労働者」、「看板のペンキ塗り」など、特に高齢者の黙々と働く後ろ姿が印象的です。

〝人間の背中は正面より多くのものを私に語ってくれる〟

↓ 「看板のペンキ塗り」

sign painter

↓ 「モンドリアンの労働者」

Mondrian Worker

高架鉄道や板の隙間から普通の人々の日常を除く構図が特徴的なようです。

↓ 「板のあいだ」

Through boards

ここにある画像の他に、「待つ女」、「463」、「T」、「荷物」、「灰色を背景にした青信号」などが好きでした。
観ていると思わず自分もスマホを手に街を撮りに出かけたい気分に駆られます。

〝見るものすべてが写真になる〟

〝重要なのは、どこである、何である、ではなく、どのようにそれを見るかということだ〟

展覧会を見終ったらちょうど上映中のドキュメンタリー映画が始まる少し前で、こんなタイムリーなら観て行くしかないな、と6階へ。
インタビュー嫌いと聞くとさぞ厭世的な気難し屋かとおもいきや、映画の中の本人は大切な人との時間を一番大事にしてきた、気さくに微笑む人でした。散歩がてら街中の人々を撮影する様子がありましたが、そりゃあ撮影者が気難しかったら被写体をくつろがせることもできないわけで、自然な表情をそのまま写し撮るにはカメラマン自身が自然体でなくてはできないことですね。

↓ 「映り込み」

Reflection.jpg

撮影当時80歳を過ぎていたソールの口調があまりに穏やかで寝不足の私は途中で落ちそうになりましたが、重みのある言葉にときどきハッとしました。

ユダヤ教のラビを父に持ったソールは、子供の頃の家庭環境を、「優しさよりも、偉大さや知識が重んじられる家だった」と語ります。
ふと私は、偉大さや知識よりも優しさのほうが大事だと頭ではわかっているのに、ふだん優しさよりも偉大さや知識のほうを優先しがちなのではないかと我が身を振り返ります。

写真展には女性のヌード写真もあり、中でも「ソームズ」という女性の写真が印象的でしたが、それがソールの長年の伴侶ソームズ・バントリーという女性だったようです。挑発的な瞳が魅力的で、映画の中では彼女の子供時代の写真を取り出したソールが「さぞ可愛らしい女の子だっただろう」と微笑んでいました。(映画撮影時ソームズは既に逝去)

〝私が写真を撮るのは自宅の周辺だ。神秘的なことは馴染み深い場所で起きると思っている。なにも、世界の裏側まで行く必要はないんだ〟

「フレンズ」や「セックス・アンド・ザ・シティ」を観ても、ニューヨークへ行きたいとはあまり思ったことがありません。ゴミゴミして気取っていて、でも住んでいる人にとっては魅力ある街なのでしょう。満員電車にうんざりしながらも東京が好きな私はなんとなくそう思います。

↓ 「天蓋」

canopy.jpg

映画が終わって外に出るともう日が暮れていて、駅周辺では白人の観光客たちがスマホを上にかざし、私にはうんざりする渋谷の街並みを興奮した面持ちで動画や写真に撮っているのでした。

写真家ソール・ライター展 
Bunkamuraザ・ミュージアムで6月25日まで
(映画の上映は6月2日まで)

↓ 作品集



↓ 会場で上映中の映画
「写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと」



スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿



管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://roissy1369.blog.fc2.com/tb.php/227-9f7c171d

 | ホーム |